生き方を変えるには、Self-Awareness(自己認知)から始まる。

授業が始まってから約一ヶ月が経過し、なんとなくアメリカの大学院での学び方というか生きび方がわかってきました。まだまだ授業中に自身を持って発言するのは難しいけれど、授業一回につき一度は発言しようと試行錯誤頑張っています!!

私が今学期とっているクラスの中でもとても興味深いのがEQ(Emotional Intelligence)のクラス。

これまでは知的指数(IQ)が重要視されていましたが、昨今ではこのEQが仕事や人間関係におけるパフォーマンスの鍵として注目されています。

EQ(Emotional Intelligence)とは

EQとは、日本語では「心の知能指数」と言われています。1990年代まではEQという概念はなく、IQに比べると新しい概念です。

EQとは、感情を認知・表現したり、なぜその感情が起きたのかを適切に理解し、自己や他者の感情について正しく扱うことができる能力のことを言います。そしてIQとは違い、仕事のスキルのように学び磨いていくことができると言われています。

一人では生きていくことのできない人間にとって、EQはいろいろな場面で活きます。例えば、恋愛やパートナーシップにおける相手との関わりはもちろん、親子関係、そして仕事においてもEQが高い人とそうではない人では他者との関わり方が違い、それによってもたらされる成果(現実)も変わってきます。

Emotional Competence

EQを構成する4つの能力(Competence)はこちら。

  1. Self-Awareness (セルフアウェアネス・自己認知)
  2. Self-Management (セルフマネジメント・自己管理)
  3. Social Awareness (ソーシャルアウェアネス・社会的認知)
  4. Relationship Management (リレーションシップマネジメント・関係構築管理)

この中でも、Self-AwarenessがEQを高めるための最初の一歩と言われています。

即席で作ったので、Typoあったら教えてください…笑

このフレームワークでわかるように、Self-Awarenessがその他のCompetenceの基盤となって影響します。

全ての基盤になる、Self-Awareness

上の図にある通り、Self-Awarenessのカテゴリの中には

  • 自身の感情に気づくこと
  • 自身の感情や状態を正確に評価(アセスメント)できること
  • 自信を持っていること

などの状態があります。

これらが盤石であるからこそ、他者や社会と関係性を築く際に自分の感情や価値観と、行動が一致する。逆にSelf-Awarenessが弱いと、自分が真に何を感じているのか・何を大切にしたいのかを理解できないまま行動(Action)をとってしまうので、意図しない結果がもたらされてしまうということです。

今、日本人に必要なのはSelf-Awarenessかもしれない

と、こんな授業を受けたあとに日本の品川駅の広告ジャックについての記事を目にしました。

うーん、なるほど。

この広告主が思っていた期待とは違った形で、生活者には捉えられてしまったんだろうなぁと想像します。その点では、Social AwarenessとRelationship Managementが足りなかったのかな。ちょっとこの白黒の文字だけでズラーっと並んでる画も怖いし…。笑

とはいえ、わたしが興味深いなと思ったのは「今日の仕事は、楽しみですか」という一言が、そんなにも多くの人にとってネガティブなメッセージであるということです。

わたしも仕事が楽しい!幸せ!と思えず、苦しい気持ちで日々を過ごしていたことがあるので、この広告を見てネガティブな印象を受け取った人の気持ちには馴染みがあって。そんな状況のときにこのメッセージを見たら、きっと同じように負の感情が生まれるのは容易に想像できて、この品川駅を重い足取りで歩いた方の心中を思うと、今でも苦しくなります。

でも、その感情がなぜ生まれたのか?を考えてみると(EQでいうSelf-Awarenessを働かせてみると)、自分のその状況に対して少し違った見方ができるかもしれないなと思うのです。

言葉そのものに善悪はない

「今日の仕事は、楽しみですか」

この言葉自体に、善も悪もなくポジティブもネガティブも実はないのです。

実際、自分の仕事が楽しくて満足している人にとってみたら(広告の是非は置いておいて)、あの広告をみたところで「ふーん」程度で終わることも、渦中にいる人にとっては、心がかき乱されて苦しくなる。

同じ言葉でも、それに対する反応はそれぞれの人の状態によって違うのです。

言葉は言葉。言葉自体に良いも悪いもなく、その言葉を受け取った「自分」が善悪・ネガポジを決めている

だとしたら、なぜ心に引っ掛かるのか?なぜそう感じているのか?その感情になる理由はどこにあるのか?を深ぼることにトライしてみると面白いんじゃないかと思います。

それによって、自分が無意識のうちに握りしめている前提に気付き、何か行動を変えるきっかけになる。

プロアクティブに自分の感情・行動を変えてみる

今回の広告の件を考えると、広告というのは無差別に多くの人に行き渡るのだなと改めて感じました。「仕事楽しい?」と問いをかけられたくない人にも問答無用に押し付けるやり方は、確かに少し一方的だったかもしれません。

それでも、今回のこの広告を「変な広告だ」「嫌な気持ちになるからやめろ」と言った感想だけで終わらせず、なぜそう思うのか?まで少し深堀してみるきっかけに活用してみる、なんて方法もあると思います。

毎日生きていると、いやでも目に入っている情報や聞きたくもないのに耳に入ることってたくさんありますよね。

それを相手のせい・落ち度として批判することはもちろんできます。(時にはそうしなくてはいけないことももちろんたくさんあります!)が、今一度自分自身が無意識に握りしめている価値観に触れるきっかけとして。すなわちSelf-AwarenessというCompetencyを高める練習として活用してみるのも良いのではないでしょうか。

変えられるのは自分だけ。

外からの刺激にリアクティブに反応するのではなく、プロアクティブに対応してみる。そのためにSelf-Awarenessを高め、自分自身の次の行動を変えてみることでSelf-Managementにつながります。

嫌なことを続けるのではなく、自分が望むものがなんなのかを捉えて変化させていく。それが求められていくのかも知れません。

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