大学院受験を決めたとき、私が描いた私自身のビジョンは「人々が個人の志を持ち、その志を実現できる社会を創る」ということでした。
そのために、人々が無意識に囚われている前提を捉え、変容させていくTransformative Learningや自らが無意識のうちに握りしめる前提に意識的になりそれらを変容させるためのCritical Thinkingについて理解したかった。そして、大人が輝く世界を創るためには、大人の発達を学ぶ必要があると思い、成人発達理論というセオリーについても学んできました。
この中で気づいたのは、私が掲げた「人々が個人の志を持ち、その志を実現できる社会を創る」というビジョンは、リーダーシップを育むことであること。そして、リーダーシップというのはスキルではなく、プロセスであるということです。
リーダーシップって、なに?
コロンビア教育大学院のエリー・ドラゴ-シバーソン教授によると、「リーダーシップはプロセス」であり役職ではありません。
日本では、リーダーシップというとマネジメントと同列に考えられることが一般的です。例えば、課長に昇進したときに「部下をリードするために、リーダーシップ研修を受ける」とか、「チームリーダーになるために、リーダーシップについて学ぶ」などと言った、リーダーシップ=人をまとめる役割・マネジメントと混同されがちです。
でも、リーダーシップって、1日の研修で手に入るようなスキルや、昇進したからといって手に入るものではないのは多くの人が理解している通りです。
彼女の提唱するAdult Developmental theoryやAdult Leadershipによると、リーダーシップは自己間・対人間・精神性・認識力などの人の内側における発達に伴うプロセスと言われています。
つまり、
- 自分の中でどんなことが起こっているのか(感情・思考など)を認識し、マネジメントすること
- 相手(もしくは社会)との関係性において、それらを認識し、マネジメントすること
- 自分の精神性(スピリチュアリティ)やメンタリティ
- 上記についての認識力や、物事・無意識の前提に対する認識力と変革力
これらを向上させていくそのプロセスこそがリーダーシップであり、成人が発達するということなのです。
そのプロセス自体は、その人がいる国や文化・宗教的価値観によっても変わるところはあるけれど、最終的にいきつく目的は「他者と分かち合い共に変容しながら、より良い自分や社会を目指す」ということにあります。
リーダーシップは自分から始まる
これまでの記事に書いてきたように、個人の人生を変える重要な最初のステップはSelf-Awareness(自己認識力)をトレーニングすることでした。
そして、このように自分の持つ無意識の前提を理解して変化させようとすることや、自分自身についてより理解しようとすること自体が、リーダーシップのプロセスとも言えます。自分自身に対してリーダーシップを発揮できるようになる(セルフリーダーシップ)と、自然と他者へ、そしてより大きい組織や社会へとリーダーシップを発揮できるようになるのです。
リーダーシップを育むチャンスは、日常に転がっている
リーダーシップ育成というと、一般的には”◯◯リーダー”や”課長”などの役割を得たときに、所属する会社の「リーダー育成研修」を受けることというイメージがあると思います。もしくは、「リーダーシップを発揮する」というと、グループやチームを文字通り先頭にたって率いた経験がないといけないように考えたりもしますよね。
でも実は、それらはリーダーシップの一部分でしかないのです。
もちろん、企業においてそれらの研修を受けることはとっても意味があるし大切なこと。でも、リーダーシップというのは一朝一夕で身につくような代物ではなく、日々の中で少しずつ育まれていくものだと思うのです。
リーダーシップは人を率いるのではなく、自身を率いることから始まる
日常のちょっとしたこともリーダーシップの練習になる。
例えば極端な話で言うと、「今日の夜ごはん、なに食べる?」と自分に問いかけることから始まるかも。
日々忙しく生活していると、自分がほんとうは何を求めているのかもわからなくなることもあります。そんな時に、一度足を止めて、深呼吸をして、
「今、わたしは何を感じてる?何を求めてる?」
これこそリーダーシップの最初の段階である、Self-Awarenessの第一歩。
自分自身の感情や感覚に目を向けること、自分自身の状態に気が付くこと。そして、それをするために、一呼吸つくことを自分に許すこと。
これをすることで、
もしかしたらお腹は空いていないのに食べることがただの習慣になっているから夜になると物を口に運んでいることに気づくかもしれない。
仕事で心がザワザワすることがあったことを紛らわすために、ほんとうはお腹は空いていないのに何か食べようとしていることにハッとするかもしれない。
本当はお腹が空いていなくて何かを紛らわすために食べようとしていることに気がつけたら、「お腹が空いていないとしたら、何をしたい?」と別の選択肢を考えられるようになる。
一度立ち止まり、自分自身に対して目を向けてあげられたら、
「じゃあ、ほんとうはどうしたい?」
と、自分の真に望むアクションに移すきっかけを作ってあげられるのです。
他人に対してはできても、自分に対してはできない
上記に書いたことって、1on1の振り返りや評価面談のときにメンターや上司の方とやっていること/やってもらっていることと似ていませんか?(もちろん内容は違うけど、笑)
なぜか、こういう会話って、会社の中で、仕事(もしくは他人)に関することならできるんですよね。
でも、不思議なことに、日々の生活の中で、自分に対することになると、できない人が多い。
これって本当に不思議なこと。
でも、こういう日々の自己対話や自己理解を深めることが、他者への共感やサポートをするスキルにつながり、相手と共に成長していく真のリーダーシップを育むことにつながります。
セルフリーダーシップを育むコミュニティを創りたい
自分自身を理解すること、そして自分自身をより活かすこと。
これはとっても大切なことなのに、なかなか日常だとできない人が多いように思います。そして、周りにやっている人も少ないと言う人も多いのではないかなと思います。
きっとね、そういうことに興味がある人って「意識高いね」とか、そんな一言で片付けられてしまっているんじゃないかな。
わたし、「意識高い」っていう言葉があんまり好きではなくて。意識に高いも低いもないというか、笑
ただ、私は自分自身について興味があるし、もっと自由に自分の軸を活かして生きていきたい、そして他者や社会のために生きたい。それに興味がある、ただそれだけ。
これって、漫画が大好きでとか、サッカーが大好きで熱中して夜通しTVを見れちゃうとか、練習できるのと同じ感覚で、ほんとうに意識に高い低いはないと思っています。
でも、「意識高いね」って言葉は、ドリームキラーになる。
自分がやりたいこと、成長したいこと、もっと知りたいこと、それを否定されたように感じるし、きっと言っている本人も少し斜に構えて言っていることが多いから。笑
自分について理解を深め、リーダーシップを育む安心なコミュニティを創りたい
だから、自分自身についてやリーダーシップについて関心がある人だけが集まる安心なコミュニティを創りたいなと思っています。
成人発達理論やジャーナリング(クリティカルリフレクション)やTransformative learningの理論をもとに、自分自身への理解を深め、人生を変えていくコミュニティにしようと思います。
自分を変えるために、愛のある他者からの介入はとっても大切。それによって自分ひとりでは見えなかった世界の見方に気づいたり、解釈の方法に気づいたり。
そして、アメリカ留学で出会った世界や日本のリーダーにも講演を依頼できたら良いなと考えています。日々の生活の中だけでは感じられない刺激になるかも。
もちろん、一人でじっくり振り返り、自分の無意識の前提に気づくきっかけになるジャーナリングの方法もお伝えします。
スタートは今年の夏もしくは秋頃の予定です!また詳細はお知らせします!
それでは♡
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